応援歌


石川遼を私は未だ見たことがない。
見たことがないという言葉は適切ではないかもしれないが、少なくとも一緒にラウンドしたり、会話をしたりということは未だない。つまり、私は彼の“心”に接したことが未だない。そんな私が石川君のことを、例え遠巻きながらでも「論じる」ことが良いか悪いかは別として、昨年のマンシングで劇的な優勝を遂げた石川君に衝撃を受けたプロゴルファーの一人として、プロゴルフ界の将来を案じるゴルファーの一人として、また、四人の子供を持つ“父親”として、一言だけ物申す。
まぁ、だいたい、よく知りもしない人間が訳知り顔で、一人の人間を評価するなど誠に勝手なことなのである(笑)。

石川君について、私の一番の憂いは、石川君が「プロゴルフ界の将来に大切な人間」だとか「プロゴルフ界の将来は石川君の双肩が担っている」だとかを堂々と宣うJGTOやゴルフ界の方々の声だ。正直なところ本当にガッカリしている。
大の大人が、16歳の少年に『そんな重荷』を背負わせて、興味に満ちた顔で傍観しながら石川君の活躍のみに期待を寄せる・・・日本人が腐って来たと思ってしまうのは私だけなのだろうか。
昔の日本でも戦国の時代には、15歳での初陣は決して珍しいことではなかったし、元服(昔の成人式)に至っては、15歳は当たり前の年齢ではあった。しかし、戦闘に加わる15歳を矢面に立たせることは有り得なかったし、その初陣の若武者を守るために何人もの兵(つわもの)が命を失うことも当然のことだったのが日本古来にあるサムライの姿だった。確かに斜陽に立たされた国が、若武者を神輿として担ぎ出し、“スター化”して、戦士の戦意高揚の為に利用したことはあった。しかし、それも決して“神輿”自らが前線に出て闘わされることはなかったのである。今まさに、石川君を担ぎ出そうとする輩を見る時、太平洋戦争に於ける大日本帝国の学徒動員や、戊辰戦争に於ける会津藩の白虎隊の編成を考案した者達を思い出す・・・まぁ少々穿ったものの見方ではあるが。
石川君の人生は「石川君のもの」だ。それでは、斜陽に立たされたJGTOならびにゴルフ界の方々は、ゴルフ界に最も大切だと言えるゴルフツアーを建て直すためにいったい何をやっている?何をしたのであろうか?「遼君に頑張って貰ってスポンサーを集める」「遼君に頑張って貰ってゴルフ人気を高める」「遼君に・・・」「遼君・・・」「遼・・・」!?お前ら馬鹿か?(怒)。
何も考えず何も行動を起こさずに、少年一人を闘わせ、安全なところで旨い汁だけを吸いたいというわけか。高度成長期の詰め込み教育に培養された年功序列社会で、日本人の頭はそこまで腐ってしまったのか。頭は首の上に付いている飾りものと化して、道徳観は遠い過去の遺物になっている。
御先祖様が草葉の陰で嘆いている姿が眼に浮かぶようだ。

 スターは作るものではない。

少なくとも、プロゴルフの世界では、スターを作ろうとすることは無意味だ。
だから先ずは、闘う場所を整備して、戦士個人個人の意識が変わる手立てを講じることを模索することこそが急務なのである。そういう環境の中で、自ずとスターは現れては消えてゆき、そしてまた必ず、スターは現れるだろう。人の魂に問い掛ける・・・それがセメント(真剣勝負)の醍醐味であり、プロゴルフの面白さの重要なところなのである。
昨今のゴルフ界の風潮として、すぐにジャンボの所為にして「ジャンボ尾崎の大罪」などと全く無体な詮議を行う。何故?過去を振り返って人の所為ばかりにして、何故これからのことを考えないのか・・・それは、頭が腐ってるからに他ならないだろう?。それ以上に、活躍したり頑張っているもの達をもスキあらば、躍起になって批判する・・・これは戦後日本の恐るべき風潮だ。そんな魑魅魍魎の徘徊する現代日本の社会に、石川君が埋没するには少々早過ぎるのではないか。
私は石川君には学校へ行って貰いたいと思っている。伊藤涼太君にも感じたことだったが、学校へ行って勉強して、勉学から学べる多くのことを学んで欲しい。もちろん試合に出たければ出ればいい。しかし、飽くまでも自分の夢や人生の目標のために頑張って欲しい。
君の人生は君のものだから、頭の腐った大人達に振り回されてはイケないよ。例え、君の親父さんにであっても・・・振り回されてはイケないんだね。確かに君は未だ大人ではないが、もう子供ではないのだから、自分の人生は自分で切り開いてゆくと考えた方が良いだろう。

人間が誰でも経験するということは“たった一つ”しかない。言うまでもなく「死」を迎えるということだが、私が思うに、そこで考えなければならないことは、「死」という事象を迎える時に「まぁ良い人生だった」と思える人生を送るということだ。
胸を張って死を迎えられる人生を送ることが、人間に与えられた“一つの試練”だと私は考えるのだが、如何がで御座るかな?。
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  by h_gohda | 2008-08-30 15:51 | 闘ふということ 

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